Beat Saber(ビートセイバー) レビュー・評価 爽快感抜群のVR音ゲー

Beat Saber(ビートセイバー)

圧倒的な高評価を得て、人気沸騰中の新感覚リズムゲーム「Beat Saber」(ビートセイバー)

2018年5月1日にSteamとOculus Storeで発売され、わずか1か月で売上10万本(約200万ドル)、Steamの全作品中最高評価を獲得(VR限定ではなく全てのゲームが対象)というVR専用ゲームとしては異例の記録を叩き出した作品です。

PSVRへの移植も発表された本作ですが、具体的に何が面白いのか?ダメな要素はないのか?クソゲーも含めてそれなりに音ゲー経験のある筆者が、プレイした感想を書き連ねていきます。

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良かったところ

曲が良い

選曲画面

まだ曲数は少ないですが、いかにもディスコミュージックといった感じの曲から、アクションゲームの戦闘BGMに合いそうなサイバーチックな曲、カントリー調のヴァイオリンのイントロから始まるダンス・テクノテイストな曲まで、印象に残るサウンドが幅広く揃っています。

全体的にノリの良い曲が多いですね。

収録曲は以下の11曲。

  • $100 BILLS$100 BILLS
  • ESCAPE (FT. SUMMER HAZE)
  • LEGEND (FT. BACKCHAT)
  • COUNTRY ROUNDS (SQEEPO REMIX)
  • COMMERCIAL PUMPING
  • BREEZER
  • TURN ME ON (FT. TINY C)
  • BEAT SABER
  • LVL INSANE
  • BALEARIC PUMPING
  • ANGEL VOICES ※アップデートで追加

サウンドトラックも出ているので、ゲーム購入前に一通り試聴してみるといいでしょう。

演奏時間は「ANGEL VOICES」のみ6分オーバーとかなり長めですが、それ以外は約2分~3分弱と標準的な範囲(音ゲー基準)におさまっています。

SEの完成度が高い

ノーツを斬ったときの効果音は一種類しかないものの、クオリティは素晴らしいです。

曲の邪魔をしない程度に軽快でありながら、物足りなさを感じないキレのある音で、個人的にはかなり気に入りました。(ヘッドホンによって印象が結構変わります。音の解像度が高く低音に締まりがあるものを使用すると良い感じです。)

クラブミュージック(特にテクノ系)と親和性が高く、ゲーム性とも非常にマッチしています。

ただし曲を選ぶというか、スローテンポな曲との相性はイマイチです。

バニラでプレイする分には気になりませんが、MODで色々と曲を追加すると不満が出てきます。公式であと1~2種類増やしてもらえると嬉しい。

ノーツを斬るのがとにかく気持ち良い

ブロックを一刀両断!

この作品の醍醐味はコレに尽きます。

“リズムに乗って、全身を使って” ノーツをぶった斬る爽快感は、VR×リズムゲームの新たな可能性を感じさせてくれます。

「ライトセーバーのような武器で、正面から飛んでくるキューブを斬る」という非常にシンプルなゲームデザインですが、独自のシステムや設定によって絶妙なバランスに仕上がっています。

印象的だったのは「タイミング判定が存在しないこと」「独自のスコアリングシステム」です。

Perfect、Good等のタイミング判定が存在しない

よくある標準的な音ゲーでは、ノーツが判定ラインに重なった瞬間にボタンやタッチパネルを押し、このときタイミングがバッチリあっていればParfect、少しズレていればGood、大きくズレるとBadといった具合に評価されてスコアが変動します。

作品によって名称や判定の厳しさに違いはありますが、多くの音ゲーで採用されているお馴染みのシステムです。

このタイミング判定がbeat saberには存在しません。

もっと言うと、ノーツを叩いたときの効果音は必ず決まったタイミングで鳴ります。

要するに「叩くのが多少遅れても、逆に早すぎても判定評価は変わらず、効果音は設定されたタイミングで鳴る」ということですね。

音ゲー経験者であれば「叩いたタイミングで音が鳴らないのは気持ち悪いのではないか」と思うかもしれませんが、実際にプレイしてみると音のズレは全く気になりません。

それどころか、むしろこの仕様と以下のスコア算出方式が組み合わさることによって体験の質が向上しています。

コントローラーの振り方でスコアが決まる

大振りでキューブの中央を斬ると高スコア

このゲームにはタイミング判定が存在しないため、それによるスコアリングもありません。

ではどのようにしてスコアが変動するのかというと、剣の振り方とキューブの切断位置によってポイントが決まります。

大振りな動作でキューブを斬ると高スコアになり、小振りな動作だと低スコアになる、といった具合です。

公式twitterの解説動画

動画の内容

  • カット前のスイング角度が90度あると、最大70ポイント(一直線で精確に斬る必要はない。アルゴリズムはかなり寛容)
  • キューブ切断後、そこから更に60度以上スイングすると、最大30ポイント
  • キューブの中心に近い位置を切断すると、最大10ポイント

合計で一つのキューブにつき最大110ポイント獲得可能

角度に応じてポイントは細かく変動します。

無駄にスタイリッシュな動きでキューブを斬るのが非常に楽しい本作ですが、この仕様によって大げさなアクションも無駄ではなくなります。

もちろん動きが大振りになればタイミングがズレやすくなるというデメリットを抱えていますが、タイミング判定評価をなくすことでこの問題も解消されているのです。

高難易度になると、キューブの密度が増えて忙しくなります。慣れないうちは細かい動作で処理してしまいがちですが、それではスコアが稼ぐことができません。

Sランクでクリアするためには、無駄なく大振りな動作が出来るように斬り方を最適化していく必要があります。

リアルの身体への負荷がヤバイという物理的な問題を別にすれば、練習するほど爽快感が増してより楽しくなるという好循環が生まれます。この辺りのゲームシステムがよく練られていると感じました。

音ゲー初心者でも楽しめるゲーム性と難易度

beat-saber-review-05

ミスしてもライフが減少しない(途中でゲームオーバーにならない)設定にすることも可能

難易度は「Easy、Norma、Hard、Expert」の4種類用意されています。

MOD曲は難易度Expert+で作ることも可能なので、実質5種類になります。

Easyなら誰でも簡単にクリアできるレベルですが、高難易度になるとなかなか歯ごたえがあります。

一般的なリズムゲームって、難易度と面白さが比例する傾向にあるので、高難易度の曲をクリアできるようになる前にやめてしまうと本来の楽しさを100%味わえない欠点があります。

なんとなく敷居が高そう、とっつきにくいといったイメージを持たれる原因にもなっているかと思います。

ビートセイバーにおいても高難度曲をプレイする醍醐味は勿論あるのですが、難易度が低くても楽しさは損なわれません。

むしろ、大振りな動作でプレイしやすいので簡単に爽快感を得ることができます。

MOD導入で楽しさが無限大に広がる

楽曲ダウンロード画面

MODを導入すれば、プレイ中にゲーム内で曲をダウンロードすることも可能

リリース直後からMODコミュニティが活発で、有志達の手によって既に数多くの拡張機能が制作されています。

曲(カスタムソングデータ)も大量にアップロードされており、本作最大の欠点である収録曲の少なさを補うことができます。

譜面制作

少し難易度は上がりますが、自分で譜面を制作するといった楽しみ方もあります。

ゲームエンジンの3Dエディターを利用すれば、視覚的・直感的な操作で譜面やエフェクトを編集できます。やってみると意外と簡単なので、興味のある人は是非挑戦してみてください。

起動やロード時間が短い

SSD環境だと起動約3秒、ロードほぼ0秒と非常に高速です。起動時にロゴ等は表示されず、即座にプレイメニュー画面が表示されます。

これならHDDでも読み込み時間は全く気にならないはず。

追記:v0.11.2のアップデート以降、起動時に「健康と安全に関する警告」が表示されるようになっていました。

健康と安全に関する警告

警告は以下のような内容です。

  • プレイエリアの安全を十分確保、確認してください。
  • 運動量が多いので、普段から習慣的にトレーニングしてください。
  • プレイ前にストレッチをして、プレイ中も定期的に休憩を挟んでください。
  • 筋肉痛になったら、すぐにゲームを中断して休んでください。

必要容量が少ない

アーリーアクセス中の現時点(本体v0.11.1)では、ゲームデータの容量は229MBと非常に少ないです。

SSDを圧迫しないのは助かります。昔より安くなったとはいえ、まだ大容量はそれなりのお値段しますからね。

負荷が軽く、要求スペックが低い

VR専用ゲームでありながら要求スペックが低く、高価なグラフィックボードでなくても快適にプレイ可能です。

Steam公式ページには「最低スペック:GTX960、推奨スペック:GTX1060」と記載されていますが、推奨もGTX960まで下げて問題ないのでは?と思ってしまうくらい負荷が軽く、動作が安定しています。

参考までに、以下の構成で起動してみました。HTC VIVEのVR Readyに満たないスペックです。

OS:Windows10 64bit
CPU:i7-6700K
GPU:GTX960
メモリ:8GB

GTX960はVRAM4GBのモデルもありますが、今回使用したのは2GBモデルです。

これで複数曲プレイしてもFPSの低下やカクつきを感じることは一度もありませんでした。

Asynchronous Spacewarp (ASW) 対応のOculus Riftであれば更に低いスペックでも(快適かどうかはともかく)動作するかもしれません。

VR酔いしにくい

動作が軽いうえに、視点移動が少なく宇宙のような空間でプレイするためか酔いにくい作りになっています。

酔ったというレビューを全く見かけないですし、VR初体験の人にもオススメできます。

運動量が半端ない

低難易度はそれほどでもないのですが、Expertで高スコアを狙ってプレイするとかなり疲れます。特に上半身の動きが激しいです。

アメリカのVirtual Reality Institute of Health and ExerciseというVR研究所によると、Beat Saberの運動量はテニス並みだそうな。

楽しみながら運動もできて一石二鳥です。

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悪いところ

曲数が少ない

公式の収録曲は、v0.11.1時点で11曲しかありません。(アップデートで1曲追加されました)

約2000円という価格を考慮すれば妥当かもしれませんが、欲を言えば20~30曲は欲しかったところです。今後もアップデートで増えていくと思いますが、現時点ではボリューム不足感は否めません。

※MODを導入すれば数千曲遊べるようになります。

部屋のスペース確保が必須

一応狭い空間でもプレイできないことはないですが、両腕を思い切り振れるくらいのスペースはないと爽快感が激減します。

VIVEの場合、ルームスケール設定で最小2m×1.5mは確保する必要があるので問題ないと思いますが、障害物のあるところを強引にスペースとして認識させている場合は注意が必要です。

私は何度かコントローラーを思い切りぶつけました。

日本語非対応

現在(2018年8月時点で)日本語には対応していません。

とはいえ、ストーリー等は一切ないですし英語がわからなくてもプレイに支障はありません。ほとんどの人にとってマイナス要素にはならないでしょう。

ローカライズされてないと絶対イヤ!という人は、PSVR版の発売が決まっているのでそれを待ちましょう。

ただし、PSVR用に移植された作品は北米PSストアでしか買えないモノも多いので過度な期待は禁物です。(要するに日本語非対応のまま)

PC版もまだアーリーアクセス中なので、今後対応言語が増える可能性はあります。

やりすぎると筋肉痛になったり、身体を痛めるリスクあり

日常生活ではあまり鍛えられない筋肉を使うので、普段運動しない人は長時間プレイすると筋肉痛になる可能性があります。

無理な動きをして身体を痛めてしまう人もいるようです。(ひどい場合は捻挫や脱臼など……)

慣れるまで、特に最初のうちはやりすぎないよう気を付けたほうがいいかもしれません。

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総評

VRと音ゲーの相性の良さを改めて感じた本作品。

剣を使ったアクション×リズムゲームという斬新な発想で、全身を使って音を楽しむVRゲームの新しい体験を提供してくれました。

アイデアの時点で面白さのベースは出来上がっていたと思うのですが、単なるアイデア勝負で終わらずにしっかりクオリティを上げてからリリース(早期アクセス開始)されたことが見て取れる内容でした。

  • 完成度の高い曲とSE
  • 爽快感を重視して最適化されたゲームバランス
  • 音ゲー初心者でも楽しめるゲーム性
  • シンプルでありながら操作しやすいUI
  • 低スペックでも快適な動作の軽さ
  • VR酔いしにくい設計
  • MODによる曲追加や拡張性

どれか一つでも欠けていたら、これほど圧倒的な評価は得られなかったでしょう。

VRデバイスを持っていて、少しでも音ゲーに興味のある人は是非プレイしてみてください。

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