2018年5月に発売されたVRリズムゲーム「Beat Saber(ビートセイバー)」
スタイリッシュなプレイ動画を見て、興味を持たれた方も多いかと思います。
この記事では、Beat Saberの購入を検討している方向けに、PS4版(PSVR)とPC版の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
ちなみに筆者はPSVRとHTC VIVEをメインで使用しています。
PS4(PSVR)でBeat Saberを遊ぶ
PS4版の発売日はまだ未定ですが、2018年に発売予定とアナウンスされています。
PS4版のメリット
(ゲーム機やHMDの)価格が安い
既にPS4やPS4proを持っている人は、約3万5000円+税でVR環境が整います。
PS4+PSVRでも8万円未満なので、ゲーミングPCと比べれば購入ハードルは低めです。
HMDの装着感が良い
PSVRはおでこから後頭部にかけて頭部で支えるタイプなので、顔面に負担がかかりません。重さもうまい具合に分散されており、装着感はかなり良好です。
個人的にはViveのようなゴーグル型も脱着が楽で好きなんですが、この辺は好みの分かれるところですね。
フレネルレンズではなく、通常のレンズが採用されている
PSVRは薄くて滑らかなレンズを使用しているため、フレネルレンズのように逆光時に渦模様が見えることはありません。
プレイに熱中しているとそれほど気になりませんが、時々目に付くので無いに越したことはありません。
スクリーンドア・エフェクトが気にならない
スクリーンドア・エフェクトというのは、画面のドットが網目状に見えてしまう現象のことです。スクリーンドア効果とも言われます。
ViveやRiftだとどうしてもハッキリと見えてしまいますが、PSVRではほとんど視認できないレベルです。
解像度となると話が別ですが、PSVRの網目感のない「映像の綺麗さ」は特筆に値します。
PS4版のデメリット
トラッキング性能が悪い
PSVRはPS Moveのカメラを利用してトラッキングを行っているため、PCのハイエンドVRデバイスと比べると、トラッキング範囲や精度は劣ります。
画質が粗い
スペック上の解像度はそれほど悪くありませんが、PS4の性能に足を引っ張られて実際のVR映像はかなり粗いグラフィックになる傾向が強いです。
PS4proなら多少綺麗になりますが、過度な期待は禁物です。
モーションコントローラーは別売
PS Moveのモーションコントローラーは、PSVRに同梱されていません。カメラは付いてくるんですけどね。
ビートセイバーは2本のモーションコントローラーが必須なので、別途購入する必要があります。
MODが利用できない
MODというのは簡単に言えば改造のようなもので、様々な機能の拡張が行えるようになります。
Beat Saberの人気はMODによる拡張性の高さも一役買っていますが、PS4版でMODを導入することはまず不可能なので、その点は注意してください。
遊べる曲数が少ない
PC版のプリセット曲は現時点で11曲しかありません。
PS4版発売までにどの程度増えるかわかりませんが、20曲程度になる可能性は高いと思います。
ただ、PC版もまだアーリーアクセス中で、今後公式の譜面作成用エディターが公開される予定です。
PS4版においても同様の機能が実装されれば、音楽ファイルを用意して自分で譜面を作成する……といったことはできるようになります。 ※なりませんでした
日本語表示には対応していない
ゲーム内の言語は英語のみで、日本語表示には対応していません。
もっとも、これはPC版も同様なので、PS4版だけのデメリットというわけではありません。
本作に登場人物はおらず、ストーリーも一切存在しないので、殆どの人は問題なくプレイできるかと思います。
とはいえ……北米版より3か月半リリースが遅れたにもかかわらず、ちゃんとローカライズされなかったのは残念ですね。
これを機にPC版も日本語対応になるかと期待してたのに……。
PS4版のポイント
- (ゲーム機やHMDの)価格が安い
- HMDの装着感が良い
- スクリーンドア・エフェクトが気にならない
- トラッキング性能は悪い
- 画質は粗い
- モーションコントローラーは別売
- MODは利用できない
- 遊べる曲数が少ない ※PC版はModで一万曲以上遊べるようになる
- 日本語表示に対応していない(ゲーム内は英語表記のみ)
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PCでBeat Saberを遊ぶ
自由度の高いPCでビートセイバーをやりたい!
という人は、
- HTC Vive、Oculus Rift、Windows MR機器などのHMD
- VR Ready、またはそれに近いスペックのゲーミングPC
が必要になります。
PC版のBeat Saberは、SteamやOculus Storeで購入できます。
推奨PCスペック
推奨環境は使用するHMDによって多少変わりますが、下記のスペックを満たしていれば快適に遊べます。
OS | Windows 7/8.1/10 (64bit) |
CPU | Intel Core i7 Skylake |
グラフィックカード | Nvidia GTX 1060 |
DirectX | Version 12 |
メモリ | 8GB RAM |
ストレージ容量 | 約200MB |
必須PCスペック
こちらもHMDによって変わりますが、Steamに記載されている最低動作環境は以下のようになっています。
OS | Windows 7/8.1/10 (64bit) |
CPU | Intel Core i5 Sandy Brige |
グラフィックカード | Nvidia GTX 960 |
DirectX | Version 11 |
メモリ | 4GB RAM |
ストレージ容量 | 約200MB |
最低スペックでも快適に遊べる?
基本的にVRゲームは負荷が高いため、それなりのスペックが求められます。
一番ボトルネックになりやすいのは、やはりグラフィックカードです。GPUのスペック不足で購入を迷っている人もいると思いますが、安心してください。
ビートセイバーは必要最低スペックのGTX960でも十分遊べます。
実際にGTX960を積んだPCで動作確認しましたが、ノーツ量の多いカスタム曲においてもカクつきなどが気になる場面はありませんでした。
PC版のメリット
ビートセイバーをPCで遊ぶメリットとしては、
- 高画質で遊べる
- トラッキング精度が高い(※HMDによって性能差あり)
- ルームスケールで自由に動き回れる(※HMDによって性能差あり)
などが挙げられますが、もっとも影響が大きいのは
MODが利用できること
これに尽きますね。
もちろんバニラ(MODを入れていない環境)でも十分よくできているゲームなのですが、MODを導入することで10倍以上に楽しめます。
MODで何ができるの?
MODを入れると、例えば以下のような拡張が可能になります。
- ユーザーが制作したカスタム曲の追加 ※1万曲を超えました
- セイバーの見た目やステージの変更
- アバターの導入
- 視点の変更
- UIの拡張
曲(譜面)の追加は特に重要です。
バニラだと11曲しか遊べません。(2018年10月時点)
追記:16曲になりました。1パッケージにつき10曲収録されているDLCを購入すれば更に増えます。でもまだまだ少ないよ!(2019年3月時点)
音ゲーの核ともいえる部分なので、ここのボリューム不足は辛いものがあります……良曲揃いではあるんですけどね。
カスタム曲は洋楽が多めですが、日本の曲も沢山公開されていますよ。
PC版のデメリット
ゲーミングPCから揃えるのは出費が大きい
PCだけで最低10万円以上かかるので、PS4と比べると相当出費は大きくなってしまいます。
逆に言えば、以下の条件に当てはまる人は思い切ってPCVR環境を整えたほうが満足度は高くなるでしょう。
- ゲーミングPCが既に手元にある
- グラフィックボードなど、一部のパーツ交換だけで推奨環境に届きそう
フレネルレンズ採用のHMDが多い
ViveやRift、多くのWindows MRデバイスではフレネルレンズが使用されています。
フレネルレンズは安価で軽量かつ優れた集光能力を持つのが特徴ですが、逆光時に縞模様の輪っかが出現するという弱点があります。
幸いビートセイバーのプレイ中に気になることはありませんが、ゲームによっては没入感を妨げる原因になります。
PC版のポイント
- 高画質で遊べる
- トラッキング精度が高い ※HMDによって性能差あり
- ルームスケールで自由に動き回れる ※HMDによって性能差あり
- MODが利用できる
- 遊べる曲数は一万曲以上 ※2019年3月時点で、BeatSaverにアップロードされている譜面の数が1万を超えました。念のため補足すると、被っている曲は少ないです
- ゲーミングPCから揃えるなら15~20万以上必要
- フレネルレンズ採用のHMDが多い
- Beat Saber以外にもVRゲームが豊富に揃っている ※日本語対応の作品は少なめ
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PC用HMDの購入を検討している人へ
PC用のハイエンドHMDは、様々なメーカーから発売されています。
HTC Vive、Oculus Rift、Windows MR機器など……。
それぞれ性能が異なるだけでなく、値段もかなり差があるので悩むと思いますが、これからVRゲームを本格的に楽しみたい人には「HTC VIVE」や「HTC VIVE PRO」をおすすめします。
HTC VIVEは、現在一般向けに発売されているHMDの中でトラッキング性能が最も高く、標準の同梱品だけでルームスケールを利用可能なのが特徴です。
VIVEトラッカーを購入すればフルボディトラッキング(全身トラッキング)も容易に実現でき、拡張性が高いのもポイント。
↑これを複数用意すれば、6点(頭・両手・腰・両足)や10点(頭・両手・両肘・腰・両膝・両足)トラッキングが可能になります。
欠点を上げるとすれば、価格が若干高いこと、セッティングが大変なことでしょうか。赤外線センサーを部屋の対角線上に設置する必要があるので、ある程度のスペースが必要になります。
あと、Beat Saberの高難度曲で高スコアを狙う際は、Oculus Riftより難易度が上がります。
コントローラーの形状と重量のせいで、肩・腕・手首への負担が大きいのです。(運動目的でやるならHTC VIVEが最適です)
これらの欠点が気になる人は、他のHMDにしたほうがいいでしょう。
いずれにせよ、PSVRとPCVRでは出来ることが大幅に異なります。
少しでも興味のある人は是非、PCVR環境を整えてこっちの世界に来てください!
まとめ
Beat SaberはPS4版 or PC版どちらを買っても楽しめると思います。
ただ、個人的にはPC版がおすすめです。
一番の違いは、やはり遊べる曲数の差でしょう。
PC版は既に一万曲以上プレイ可能です。
そして今でもBeat Saverに毎日数十曲のカスタムソングがアップロードされ続けているため、軽く数百時間は楽しめるポテンシャルを秘めています。(※要MOD導入)
それに対して、PS4版でプレイできるのは公式曲16曲+DLC楽曲のみです。
さすがにボリュームが少なすぎて……正直に言ってしまうと、MODなしではすぐ飽きる可能性が高いと思います。
私自身、PSVR購入後に結局満足できずHTC VIVEも買ってしまった人間です。
PCVRに興味がある人や、お財布に余裕のある人はゲーミングPCごとHMDを買っても後悔はしないと思いますよ。
そしてPC版をプレイする環境が整ったら、是非MODも導入してみてください。
当サイトでは、MODの紹介や導入方法の解説もしています。
ご意見・ご質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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